この度、「熨斗の世界」という名前のホームページを開設させていただく運びになりました。本日は、ホームページ開設の経緯などをご説明させていただくとともに、本サイトの主旨や、これから、熨斗についての思いや取り組みなどについて、ご紹介ご報告させていただきます。
【自己紹介】
はじめまして。私は、のし太郎と申します。
紙の町と呼ばれる愛媛県四国中央市生まれ、2018年現在34才です。現在は紙加工品などのOEMを受託する株式会社エム・パックにて、営業として勤務しており、日頃から幅広い紙製品に携わらせて頂いております。
【ホームページ開設の経緯】
私は、家業が折り熨斗の製作を行う家で生まれました。
私自身、幼少期から折り熨斗に触れる機会が多く、幼き頃に見ていた加工所の景色を覚えております。
1960年代ころから、私の祖父である故・南克美(かつみ)が、妻・美子(よしこ)と共に、自宅で金封などにつける折り熨斗の製造を開始したようです。
その後順調にお取引先も増え、1978年には熨斗の製造販売を行う会社として「有限会社みなみ」を設立。そして、折り熨斗製造で培った紙加工のノウハウを、文具や雑貨などの製造に広げ1991年に株式会社エム・パックに登記名を変更。事業拡大後も、変わらずに折り熨斗の製造は、私の叔父である南公司(ただし)により続けられ、始業から50年以上たった現在も日々変わらず折り熨斗の製造を続けております。
【熨斗事業の継承】
現在、株式会社エム・パックにて熨斗を製作している南公司の定年退職も近くなり、株式会社エム・パックとして折り熨斗の事業をどのように継続するかという問題に直面しました。
その際、「熨斗事業の継承」において、プロジェクトのリーダーに私が使命されました。2016年の年末頃の話です。
以前からいつも身近にあたり前にあった熨斗。しかし、ずっと身近にあったにも関わらず、その意味や歴史も表面的にしか話せない自分の知識の浅さを痛感するとともに、当事者意識を持つことで初めてあたりまえのことはあたりまえではないと感じるようになりました。
それから、まずは、あらためて学ぶことから始めました。そして、学べば学ぶほど、熨斗に魅了されてゆきました。それは、まさに「熨斗の世界」でした。
【取材を通じて】
1年あまり取材などを繰り返す中、熨斗の世界の壮大さ、文化、歴史と触れ合う中、ただ、技術的な製造を引き継ぐだけではなく、その、文化的な背景や、知識を引き継ぎ、そしてそれを伝えてゆく必要性を感じるようになりました。
・熨斗は「鮑」が起源であること。
・伊勢の天照大御神に関連するものであり「神道」と縁の深いものであること。
・折り熨斗は、「折り方」の文化ともかかわっていること。
・「結納」と深くかかわっていること。
・ご祝儀袋を通じて「水引」の文化ともかかわりがあること。
それでいて
・日本人でその存在は知らない人はいないものであること。
・しかし、その意味などを知る人は少ないこと。
・製造を行っている人が限りなく少ないこと。
・知識や技術を持ってる人が日本中にいらっしゃるが、
比較的、高齢であり、また、熨斗に博識な人が各地に点在しており、人脈として繋がっていないこと。
がわかってきました。
そして、熨斗について興味関心が湧いた人が、集まれるコミュニティの必要性を感じるようになり、本サイト制作を開始させていただきました。
【「熨斗の世界」の役割り】
このサイトの役割としては、
・熨斗についての知識を可能な限り、シンプルかつ的確に情報をまとめ、熨斗に関心のある人にきちんと伝えてゆくこと。
・熨斗に興味のある人同士が出会うきっかけの場となり、歴史や事実の検証を行ってゆくこと。
・日常の生活において印刷熨斗では無く、折り熨斗を使用したい人や企業に、実際の折り熨斗を供給すること。
それを通じて
・熨斗を使用することで相手を思う気持ちを大切にし、その文化を広げてゆくこと。
ができればと考えております。
熨斗についての情報のご提供や、ご質問、お取り扱いについてお気軽にこちらにご連絡いただければ幸いでございます。
出会いが増えてゆくようであれば、コミュニティを作り、密な情報交換ができるような環境も徐々に整えて行こうと考えております。
またこのブログでは、私のもとに届いた熨斗に関る出会いをきっかけに取材する日記として「熨斗探訪記」として、不定期連載させていただければと存じます。
今後とも、何卒、よろしくお願い申し上げます。