その贈答品が特別であることを表す「熨斗」には使い方に作法があります。
同じ贈り物でも、「熨斗」がついていると、贈り主の特別な心遣いを感じるものです。しかし、だからといってどんな場合でも、「折熨斗」をつけて贈ればいいというわけではありません。
つけてはならないケースが二つあります。
そしてもう一つ、マナーとして守るべきことがあります。贈り物をいただいたら、御礼の返礼を心がけたいもの。折熨斗のついた贈り物であればなおのこと、返礼するのは作法であると心得ておきましょう。
正式な贈り物には包み紙に水引をかけ、折熨斗をつけます。略式のときは、熨斗と水引が印刷されている熨斗紙を使ってよいとされています。
折熨斗だけで市販されているものもありますし、自分で手づくりすることもできます。自分で包装した品に折熨斗を両面テープで張り付けると、贈る気持ちを伝えることができます。最近では、伝統にとらわれないカラフルで新しいデザインのものも数ありますが、結婚や正式な慶事に使うのには不向きです。カジュアルな贈り物や、親しい人へのちょっとした贈り物などに使うとよいでしょう。
菓子折などの贈り物に
祝い事のお酒に
祝儀の金封に
お年玉やささやかな
感謝の気持ちに添えて
のし袋は目的やお渡しする相手、包む金額に合わせて選ぶ必要があります。
折熨斗の色とデザイン・水引の本数とかけ方、色・紙・包み方で格付けが違います。結婚をはじめ慶事のほとんどに、赤白の色使いののし袋を使います。水引の結び方には大きく「真結び(結び切り)」、「あわび結び」、「諸輪結び(蝶結び)」の三つがあります。
解くのが難しいので、「繰り返さない」「一度で終わる」という意味合いがあります。慶事ではとくに婚礼に使われ、弔事やお見舞いにも使われます。
解くのが難しい結び方ですが、輪の部分が鮑を表し、慶事、弔事の両方に使われます。
何度でも結びなおすことができることから、「何度あってもよい」という意味合いがあります。婚礼以外の一般的な慶事、祝儀などに使い、弔事には使いません。
熨斗と赤白の水引が印刷されているのが慶事用の熨斗紙。白黒の水引だけが印刷されているのが弔事用の掛け紙です。熨斗紙、掛け紙の掛け方には「内熨斗」と「外熨斗」があり、品物に直接掛ける「内熨斗」のほうを格上とします。水引の掛け方の意味は、熨斗袋と同じです。
「繰り返さない」婚礼などに
慶事一般に
出産など、何度あってもよい祝儀に
◎内熨斗
品物に熨斗紙をかけてから、包装紙で包みます。上品で丁寧な贈り方とされますが、郵送する場合は、熨斗紙に汚れがつく場合もあるので、内熨斗のほうが良いでしょう。
◎外熨斗
品物を包装した上から熨斗紙をかけます。贈り主が誰なのかがひと目でわかるので、相手に贈り物が集中する婚礼などには、外熨斗にします。